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Press Release

2025815

会社名              海和製薬株式会社

代表者        代表取締役社長 李 雪花

問合せ            TEL 03-6441-0878

 

中国製薬企業 Haihe Biopharma 日本法人 海和製薬株式会社

新規分子標的抗がん剤リソバリシブを国内製造販売承認申請


海和(ハイヘ)製薬株式会社(中国 Shanghai Haihe Biopharma Co., Ltd.、以下「Haihe Biopharma」の100%子会社、東京都港区、以下「当社」)は「がん化学療法後に増悪した PIK3CA 遺伝子変異を有する進行・再発の卵巣明細胞癌」を想定効能又は効果とする新規作用機序分子標的抗がん剤リソバリシブ(Risovalisib、開発コード:CYH33 、以下「本剤」)につき、本日国内製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。なお、本年 6 月に厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。

本申請は、主要な試験である単群・非盲検の国際共同臨床第 2 相試験( CYH33-G201)において得られた有効性と安全性に関するデータに基づいています。

 

董 瑞平(ドン・ルイピン)医師・医学博士(Haihe Biopharma Chief Executive Officer


「科学的アプローチにより革新的な医薬品を創出し患者さんに希望を与えることに責任を持って取り組んでいます。 Haihe Biopharma が独自に創製した高選択性 PI3Kα 阻害剤リソバリシブは、中国の創薬における画期的な成果であり、世界中の希少がん患者さんの治療向上に貢献することを期待しています。今回の日本での申請は、グマロンチニブ(ハイイータン錠)の日本での承認取得(2024 年 6 月)に続く、Haihe Biopharma のイノベーション主導グローバル戦略における重要な一歩となります。リソバリシブが承認され、患者さんに新たな希望をもたらすことを期待しています。」

 

卵巣明細胞癌及び PIK3CA  変異について


卵巣明細胞癌(Ovarian Clear Cell Carcinoma, OCCC)は上皮性卵巣癌の中でも希少かつ悪性度の高いサブタイプです。より一般的な漿液性卵巣癌と比較して、OCCC はその病理学的特性により既存の治療に抵抗性を示し、プラチナ製剤を用いる化学療法の奏効率が極めて低いことが知られています[1]。再発性OCCC には確立された有効な標準治療がなく、予後は漿液性卵巣癌よりも著しく不良です[2]。OCCC は満たされていない治療ニーズの代表的なものの一つです。

ゲノム研究により、OCCC では PIK3CA 遺伝子変異が高頻度に認められることが明らかになりました[3–6]。変異はエクソン 9(ヘリカルドメイン)とエクソン 20(キナーゼドメイン)に多く見られ、PI3Kα とその下流経路を活性化することで、OCCC の発症と進行を促進します[7–9]。したがってPIK3CAがコードするPI3Kα はOCCC の有望な治療標的となる可能性があります。

 

リソバリシブについて


リソバリシブ(開発コード: CYH33)はHaihe Biopharma が創製した強力かつ選択性の高い新規PI3KαPhosphoinositide 3-Kinase Alpha)阻害剤です。非臨床試験において CYH33 は PI3Kα のキナーゼ活性を効果的かつ特異的に阻害し、PIK3CA 変異を有する腫瘍モデルにおいて強力な抗腫瘍効果を示しました。さらに臨床試験より得られたデータから、本剤の臨床用量における忍容性が示され、その安全性プロファイルは管理可能なものであり、PIK3CA。変異を有する様々な進行固形腫瘍の治療に有効であることが示唆されました。現在、本剤の単独療法及び他の抗がん剤との併用療法による複数の臨床試験が進行中であり、より広範な進行がんについてその安全性と有効性を評価しています。

 

海和製薬株式会社について


Haihe Biopharma は中国に本社を置く研究開発主導のグローバル製薬企業であり、主として革新的な抗がん薬の開発に注力しています。創薬、開発、製造、商業化にわたる end-to-end をカバーすることを進めており、世界のがん患者さんに安全で有効な治療選択肢を提供することを目指しています。グローバルな視点を持つ研究開発チームを有し、革新的な医薬品の国際開発に取り組んでいます。

当社、海和製薬株式会社はHaihe Biopharma の 100%子会社として 2021 年に設立された日本の研究開発拠点です。 Haihe Biopharma の豊富なパイプラインを日本に導入し、新規医薬品の開発を進め、日本の患者さんの治療の向上に貢献してまいります。

 

 

[1]. Pectasides D, Fountzilas G, Aravantinos G, et al.Advanced stage clear-cell epithelial ovarian cancer: the Hellenic Cooperative Oncology Group experience. Gynecol Oncol 2006;102: 285–91.

[2].  Kajiyama H, Shibata K, Mizuno M, et al. Postrecurrent oncologic outcome of patients with ovarian clear cell carcinoma[J]. Int J Gynecol Cancer 2012;22:801–6.

[3]. Ye S, Zhou S, Wu Y, et al. Genomic profiling of ovarian clear cell carcinoma in Chinese patients reveals potential prognostic biomarkers for survival. Ann Med 2023;55:2218104.

[4]. Yang Q, Zhang C, Ren Y, et al. Genomic characterization of Chinese ovarian clear cell carcinoma identifies driver genes by whole exome sequencing. Neoplasia 2020;22:399–430.

[5]. Itamochi H, Oishi T, Oumi N, et al. Whole-genome sequencing revealed novel prognostic biomarkers and promising targets for therapy of ovarian clear cell carcinoma. Br J Cancer 2017;117:717–24.

[6]. Yamamoto S, Tsuda H, Takano M, et al. PIK3CA mutations and loss of ARID1A protein expression are early events in the development of cystic ovarian clear cell adenocarcinoma. Virchows Arch 2012;460:77–87.

[7]. R.L. Chandler, J.S. Damrauer, J.R. Raab, et al. Coexistent ARID1A-PIK3CA mutations promote ovarian clear-cell tumorigenesis through pro-tumorigenic inflammatory cytokine signalling, Nat Commun 2015;6:6118.

[8]. Zhang X, Deng H, Zhao X, et al. RNA interference-mediated silencing of the phosphatidylinositol 3-kinase catalytic subunit attenuates growth of human ovarian cancer cells in vitroand in vivo. Oncology 2009;77:22–32.

[9]. Kinross K, Montgomery K, Kleinschmidt M, et al. An activating Pik3ca mutation coupled with Pten loss is sufficient to initiate ovarian tumorigenesis in mice. J clin Invest 2012;122:553–7.

 

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